MCIから認知症への進行率と予防法
もの忘れ・認知症
公開日
2026.6.1
更新日
2026.8.3
〜「まだ大丈夫」と思っている今こそ、早めの確認を〜
「最近もの忘れが増えた気がする」
「年齢のせいかもしれないけれど、少し気になる」
このような症状の背景に、“MCI(軽度認知障害)”が隠れていることがあります。
MCIとは、認知症ではないものの、年齢相応以上の認知機能低下がみられる状態を指します。日常生活は概ね自立している一方で、「物忘れが増えた」「段取りが悪くなった」「同じことを何度も聞く」などの変化がみられることがあります。(関連記事はこちら)
MCIはどのくらい認知症へ進行するのか
MCIの方は、健常な高齢者と比べて認知症へ進行するリスクが高いことが知られています。
報告によって差はありますが、MCIの方では年間およそ10〜15%程度が認知症へ進行するとされており、特にアルツハイマー型認知症との関連が注目されています。一方で、すべての方が進行するわけではなく、状態が維持されたり、改善するケースもあります。
そのため、「少し気になる段階」で早めに状態を把握し、生活習慣やリスク因子を見直していくことが重要と考えられています。
認知症予防のために大切なこと
現在のところ、認知症を完全に防ぐ方法は確立されていませんが、進行リスクを下げるために重要とされる要素はいくつかあります。
生活習慣病の管理
高血圧、糖尿病、脂質異常症などは、認知症リスクとの関連が指摘されています。特に脳血管障害は認知機能低下に影響するため、血圧や血糖の管理は重要です。
適度な運動
ウォーキングなどの有酸素運動は、脳血流や認知機能維持に良い影響を与える可能性があるとされています。
社会的交流・知的活動
会話や趣味、読書、計算、地域活動など、人との交流や脳を使う習慣も大切とされています。
睡眠やストレス管理
睡眠不足や慢性的なストレスも、認知機能へ影響を与える可能性があります。睡眠時無呼吸症候群などが背景に隠れている場合もあります。
「年齢のせい」と決めつけないことが大切です
加齢による軽度の物忘れは誰にでも起こり得ますが、
同じことを何度も聞く
予定や約束を忘れることが増えた
以前より段取りが難しくなった
家族から変化を指摘される
といった変化がある場合には、一度確認してみることも大切です。
特にご本人よりも、ご家族が先に変化へ気づくケースも少なくありません。
当院で行っていること
当院では、もの忘れや認知機能低下に関するご相談を承っております。
診察では、症状の経過や生活状況を伺いながら、必要に応じて認知機能検査、採血検査、画像検査のご提案を行っています。
また、将来的な認知症リスク評価の一つとして、採血による「MCIスクリーニング検査プラス(自費)」も実施しております。
「受診するほどか迷っている」という段階でも、現状を確認しておくことで安心につながる場合があります。気になる症状がありましたら、一度ご相談ください。
参考文献
Petersen RC. Mild cognitive impairment. N Engl J Med. 2011;364:2227-2234.
Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care. Lancet. 2020;396:413-446.
日本神経学会監修「認知症疾患診療ガイドライン」
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