リベ大クリニック名古屋院 -内科・脳神経内科-

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認知症とは?〜早めの相談の大切さ〜

もの忘れ・認知症

公開日

2026.5.26

更新日

2026.8.3

「最近もの忘れが増えた気がする」「同じ話を何度もしていると家族に言われる」

年齢とともに物忘れが増えることは自然な変化のひとつです。しかし中には"認知症"の初期症状として現れている場合もあります。認知症は誰にでも起こりうる身近な状態であり、早めに変化に気づき適切な対応につなげることが大切です。


1. 認知症とは

認知症とは「いったん正常に発達した脳の機能が、何らかの原因で低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態」を指します。単なる物忘れとは異なり、認知機能(記憶・判断・理解・計画・言語など)の低下が慢性的に続き、生活全体に影響が出ることが特徴です。

認知症は突然発症するのではなく、MCI(軽度認知障害) という前段階を経て進行することがあります。MCIの段階では日常生活は概ね保たれており、この時期に気づいて対応することが重要です。(MCIについての記事はこちら


2. 加齢による物忘れとの違い

重要なポイントは「体験そのものを忘れるかどうか」と「生活への影響があるかどうか」です。

加齢による物忘れ

認知症でみられる変化

思い出しにくい

体験そのものを忘れる

ヒントで思い出せる

ヒントがあっても難しい

日常生活は保たれる

生活に支障が出る

進行は緩やか

徐々に進行する

たとえば、加齢による物忘れでは「昨晩の夕食のメニューを思い出せない」(食べたこと自体は覚えている)のに対し、認知症では「夕食を食べたこと自体を忘れている」(体験ごと消えている)といった違いがみられます。


3. 認知症でみられる症状

認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」に分けられます。

中核症状には、記憶障害・見当識障害(時間や場所がわからなくなる)・判断力の低下・言語障害などがあります。周辺症状には、不安・抑うつ・妄想・幻覚・夜間せん妄・徘徊などがあり、介護する家族にとっても大きな負担となることがあります。生活環境の工夫や適切な対応によって、軽減できる場合があります。


4. 認知機能低下の原因はさまざまです

認知機能が低下していても、すべてが認知症とは限りません。正常圧水頭症・甲状腺疾患・慢性硬膜下血腫・ビタミン欠乏症・薬剤の影響など、治療によって改善が期待できる病気が原因の場合もあります。「年齢のせい」と自己判断せず、医療機関に相談することが大切です。


5. 認知症の主な種類

最も多いのがアルツハイマー型認知症(約68%)で、脳にアミロイドβが蓄積し神経細胞が障害されます。次いで脳血管性認知症(約20%)、レビー小体型認知症(約4%)の順です。各病型によって症状の現れ方・進行パターン・治療方針が異なるため、正確な診断が重要です。

近年、早期アルツハイマー病に対する新しい治療薬(レカネマブ)も登場しており、早期診断の重要性はさらに高まっています。


6. なぜ早期相談が大切なのか

早い段階で状態を把握することで、進行を緩やかにする治療につなげたり、本人と家族が今後の生活を一緒に考えたりする時間をつくることができます。また、治療可能な病気の見落とし防止や、介護サービスの早期活用にもつながります。

「まだ受診するほどではないかもしれない」という段階でも、早めの相談が安心につながります。


当院で行っていること

物忘れや認知機能低下に関するご相談を承っております。診察では症状の経過・日常生活への影響を確認しながら、必要に応じて認知機能検査・採血検査などをご提案しています。

【MCIスクリーニング検査プラス(自費)】

将来的な認知症リスク評価を目的とした検査です。現在の状態を確認し、予防・生活管理についてもご提案します。

「最近少し気になる」「家族の変化が心配」な段階でも、お気軽にご相談ください。


参考文献

  1. 東京都健康長寿医療センター「認知症とは」https://www.tmghig.jp/research/cms_upload/research_info_dementia.pdf

  2. 厚生労働省「令和2年 患者調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/index.html

  3. 厚生労働省「令和元年 国民生活基礎調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html

  4. 日本神経学会・日本神経治療学会・日本認知症学会「脳神経疾患克服に向けた研究推進の提言2022」https://www.neurology-jp.org/

  5. 厚生労働省「令和4年度 衛生行政報告例(指定難病)」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/22/index.html

  6. エーザイ株式会社「レケンビ(レカネマブ)臨床試験結果」https://www.eisai.co.jp/news/2023/news202301.html

  7. Awata S. et al. 認知症の概念図(東京都健康長寿医療センター資料より引用)

  8. 内閣府「令和5年版 高齢社会白書」https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/zenbun/05pdf_index.html


※URLは執筆時点のものです。変更・削除されている場合があります。引用・転載の際は各原典をご確認ください。

本記事は、著者(齋木絢加)が千種区医療支援事業(令和6年5月24日)にて行った研修講演の資料をもとに、一般の方に向けて構成・加筆したものです。

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