【片頭痛の予防注射薬(抗CGRP製剤)】
頭痛
公開日
2025.3.11
更新日
2026.8.3
当院の頭痛外来では片頭痛の診療を行っています(片頭痛についての概要はこちらを参照ください)
片頭痛は頭の血管が広がり、炎症が起こることで痛みが発生すると考えられています。
この原因の一つとして、「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」というたんぱく質が関与しています。
片頭痛発作の際、三叉神経という神経からCGRP過剰に放出されると、血管が広がり、炎症が起きて、それが強い頭痛につながります。
このCGRPの働きを抑える治療が、抗CGRP製剤です。
⭐️抗CGRP製剤による片頭痛予防治療
抗CGRP製剤には、CGRPの働きを抑える方法の違いによって2つのタイプがあります。
① CGRPそのものをブロックするタイプ
CGRPに直接結合し、その働きを抑えることで片頭痛を予防します。
エムガルティ®︎(ガルカネズマブ):注射💉
アジョビ®︎(フレマネズマブ):注射💉
② CGRPの受容体をブロックするタイプ
CGRPの受容体をふさぐことで、CGRPが働くのを防ぎます。
アイモビーグ®︎(エレヌマブ):注射💉
ナルティーク®︎(リメゲパント):内服薬💊
アクイプタ®︎(アトゲパント):内服薬💊

製剤名 | 作用機序 | 投与間隔 | 特徴 |
エムガルティ®︎ | CGRPに直接結合し、その作用を阻害 | 初回2本投与、その後1本を毎月投与 | 初回2本投与で血中濃度を早く安定化 |
アジョビ®︎ | 1本を投与 または 3本を3か月ごと投与 | 投与間隔を4週間または12週間ごとに選択可能 | |
アイモビーグ®︎ | CGRP受容体に結合し、CGRPが受容体と結合するのを阻害 | 1本を毎月投与 | CGRP受容体を直接阻害する唯一の薬剤 |
ナルティーク®︎ | CGRP受容体に結合し、CGRPが受容体と結合するのを阻害(低分子薬) | 急性期:発作時に1回投与/予防:隔日投与 | 急性期治療と予防の両方に使用できる唯一の経口薬(OD錠) |
アクイプタ®︎(アトゲパント) | CGRP受容体に結合し、CGRPが受容体と結合するのを阻害(低分子薬) | 1日1回経口投与 | 10mg・30mg・60mgの3規格で用量調整が可能な経口予防薬 |
⭐️抗CGRP製剤の特徴
片頭痛の発作の頻度や強さを軽減することが期待できる
月1回、または3か月に1回の注射で継続可能
これまでの片頭痛予防薬(内服薬)で効果が出にくい方にも適応の可能性がある
約半数以上の方で月間の片頭痛日数が半減するとの報告があります。
内服薬も登場し、選択肢はより幅広くなっています
⭐️抗CGRP製剤が適応となる方
抗CGRP製剤は全ての方に適応になるわけではありません。
主に以下のような方が、抗CGRP製剤の適応となる可能性があります。
直近3か月に片頭痛が月平均4回以上ある方、または慢性片頭痛と診断された成人の方
従来の片頭痛予防薬で効果が不十分、または副作用のため継続できなかった方
MRIやCTなどの画像検査で、頭痛の原因となる他の病気がない方
そのほか医師の判断で適応とならない場合もあります。
⭐️抗CGRP製剤の費用
保険診療が適応されます。3割負担の方で、1ヶ月あたりの薬の費用はいずれも約13,000〜14,000円です。
※エムガルティのみ初回2本投与となるため、その際の費用は倍になります。
※内服薬は当面の間(2027年4月頃まで)、2週間処方が上限となります。
※診察料などは別途かかります。
※加入している健康保険組合によっては、高額療養費制度や付加給付制度により、自己負担額が実質的に軽減される場合があります。詳細は、ご自身の加入している保険組合にご確認ください。
従来の片頭痛治療では効果の乏しい方や、片頭痛の頻度が多い方、生活に支障をきたしている方は、一度ご相談ください。
💡 詳しく知りたい方は当院へ
当院では、片頭痛予防の新しい治療として抗CGRP製剤を取り扱っています。診察時にご相談ください。
内科・脳神経内科 【診療時間】
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