リベ大クリニック名古屋院 -内科・脳神経内科-

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再生医療で注目される「パーキンソン病」とは

脳神経内科

公開日

2026.2.25

更新日

2026.8.2

近年、iPS細胞を用いた再生医療が大きな注目を集めています。
その中でも話題になっているのが、パーキンソン病に対する新しい治療
「アムシェプリ®︎(ラグネプロセル)」です。

アムシェプリは、iPS細胞から作製したドパミン神経前駆細胞を脳に移植する再生医療製品です。これまでの「薬で補う治療」とは異なり、失われた神経そのものを補うことを目指す治療として期待されています。

では、その対象となるパーキンソン病とは、どのような病気なのでしょうか。


■ パーキンソン病の本質

パーキンソン病は、
脳の中脳「黒質」にあるドパミン神経が進行性に減少する神経変性疾患です。

黒質から線条体へ送られるドパミンは、体の動きをなめらかに調整する役割を担っています。このドパミンが不足すると、運動をコントロールする経路のバランスが崩れ、さまざまな症状が現れます。一般的には、ドパミン神経が半分以上失われた段階で症状が出始めると考えられています。

パーキンソン病は、国の指定難病に定められている神経変性疾患で、高齢化に伴い患者数は増加傾向にあります。一般的には人口10万人あたり約100~150人程度とされています。


■ 主な運動症状(四大症状)

  1. 振戦(しんせん) ― 安静時に出る手のふるえ

  2. 無動・寡動 ― 動作が遅くなる

  3. 固縮 ― 手足がスムーズに動かしにくい、筋肉のこわばり

  4. 姿勢反射障害 ― 転びやすさ

これらはゆっくりと進行していきます。


■ 非運動症状も重要

運動症状だけでなく以下の症状も重視されています。

  • 便秘

  • 嗅覚低下

  • 睡眠障害(レム睡眠行動異常など)

  • 抑うつ など

これらは運動症状より前に現れることもあります。


■ これまでの治療とその課題

パーキンソン病の従来治療は、

  • L-ドパ製剤

  • ドパミンアゴニスト

  • MAO-B阻害薬

など、不足したドパミンを補ったり、ドパミンの作用を高める薬物療法が中心です。

多くの方で症状は改善しますが、長期経過では

  • 効果の持続時間が短くなる(ウェアリングオフ)

  • 不随意運動(ジスキネジア)が出現する

といった課題がみられることがあります。これは、薬の問題というよりも、病気そのものが進行することが背景にあります。


■ 外科的治療という選択肢 ― DBS

薬物療法で十分なコントロールが難しくなった場合、外科的治療も選択肢になります。

代表的なのが、脳深部刺激療法(DBS)です。
脳の深部に電極を留置し、異常な神経活動を電気刺激で調整する治療です。

  • オフ時間の短縮

  • ジスキネジアの軽減

  • 生活の質(QOL)の改善

が期待できます。

ただし、手術が必要であり、すべての方が適応となるわけではありません。


■ iPS細胞を用いた再生医療とは

近年は、iPS細胞を活用した再生医療の臨床応用も進められています。アムシェプリは、その取り組みの一つとして位置づけられる治療です。アムシェプリは、iPS細胞からドパミン神経のもとになる細胞(ドパミン神経前駆細胞)を作り、脳内へ移植します。

移植された細胞が機能することで、神経回路の再構築を目指す治療です。

これまでの

  • 薬で補う治療

  • 電気で調整する治療

に対し、細胞で補う治療という、新しい段階に入ったといえます。


■ まだ始まったばかりの治療

再生医療は大きな可能性を秘めていますが、現時点では限られた専門施設で実施される治療です。

  • 脳内への移植手術が必要

  • 免疫抑制療法を併用

  • 長期的な安全性・効果の検証が継続中

慎重な適応判断が求められます。


■ まとめ 〜治療は「選択肢の時代」へ〜

パーキンソン病は、ドパミン神経が進行性に減少することで、ふるえや動きにくさ、こわばりなどが生じる病気です。

治療はこれまで大きく進歩してきました。薬物療法により症状のコントロールが可能となり、脳深部刺激療法(DBS)といった外科的治療も確立されています。

さらに近年では、iPS細胞を用いた再生医療という新しいアプローチも研究・実用化が進められています。
iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞製品「アムシェプリ」については、2025年8月5日付で製造販売承認申請され、2026年2月薬事審議会で審議されているところです。

治療の選択肢は広がっていますが、最も重要なのは、病期や症状、生活背景に応じた適切な治療を選択することです。

リベ大クリニックでは日本神経学会神経内科専門医が診療を行っています。
ふるえやこわばり、動きにくさなどが気になる場合はご相談ください。

治療は一つではありません。だからこそ、専門医とともに段階的に考えていくことが大切です。


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